電磁波でガンになるのですか?
1993年に携帯電話の使用でガンになったと携帯電話会社を相手取って訴訟を起こした人はいましたが、結論は出ていません。電磁波とガンとの因果関係を証明するだけの確固たる証拠は示されていません。
しかし、ガンと関連した研究結果を見つけましたので記します。携帯電話に関するものではありませんが、比較的高周波に属する放送タワーでの研究結果です。
■ホッキング論文
オーストラリアのブルース・ホッキング博士は1995年11月米国の国際会議において下記、疫学調査の研究結果を発表した。
- 調査地域: シドニー北部郊外の3つの放送タワー(4局のテレビ放送と1局のFMラジオ放送用)が集中する場所
- 期間: 1972年~90年
- 調査対象: 14歳以下の小児ガン
- 比較対照: 放送タワー4キロ以内(電力密度8.0~0.02μW/cm2) の居住者
放送タワー12キロ以遠(電力密度0.02μW/cm2未満)の居住者 - 結果
12キロ以遠に住む子供より4キロ以内に住む 子供に住む子供の死亡率
・リンパ性白血病2.74倍
・全白血病2.32倍
■ドルク論文
イギリスのサットン・コールドフィールドにある放送タワーの周辺2キロ以内で、急性リンパ性白血病2.56倍、全白血病1.83倍と出たとするドルク論文(1997年)
上記はいずれも放送タワーの電磁波についての疫学調査結果報告であり、マイクロ波の携帯電話とガンについての調査報告は多くありません。 携帯電話とガンの因果関係を巡る論争に火がついたのは1993年にフロリダに住む1人の男性が、携帯電話の使用によって妻が脳腫瘍になったと訴訟を起こしてからです。それ以来多くの科学者が、人間の脳腫瘍の発生率を調査したり、動物を使って携帯電話からの電磁波の影響を研究したりしていますが結論は出ていません。